360度バーチャルツアーでご自宅にいながらヘンリープールの世界に浸ってください。
サヴィル・ロウという名前は、おそらくデジタル技術などではなく数世紀に亘る伝統として知られていると思います。ヘンリープールではその伝統を重んじることこそお客さまから求められていることであると誇りに感じています。お客さまとの長く続く関係性こそがすべての基本です。しかしロックダウンはすなわちお客さまにサヴィル・ロウ15番地に来ていただけないという事態でした。そこで新しいテクノロジーを駆使し15番地をこちらからお客さまにお届けしようと考えたのです。Covid19との闘いに疲れ果てるのではなく、新しい何かを始める絶好の機会ととらえたのです。スーツに合うマスクの開発からデジタル化に至るまで。そしてここにその成果をお見せいたしましょう。
360度バーチャルツアーは、トランクシショーでのみお会いすることができた海外のお客さまにさえも、私どものショップを見ていただくことが出来ます。ショップの中を見て回り、止まってズームして、カフリンクスやネクタイ、またはバーリントン・アーケードの守衛の制服のようなセレモニーローブやドレスなど、もっと知りたいと思うこと全てを詳細に見て聞くことができるのです。商品を精査してお買い物できるのです。
ディナースーツをクリックしていただくとヘンリープールがのちの英国王エドワード7世である皇太子(通称バーティー)にサンドリンガム宮殿での非公式ディナーパーティで着ていただくために燕尾服のテールの無いものをデザインしたことが世界初のタキシードの誕生であるということを知ることが出来ます。心地よいウェイティング・ラウンジのテーブルに置かれたヘンリープールの書籍や、受付の壁に飾られたワラントを見ることも出来ます。また本来お客さまの接客を担当するカッターやテーラーといったスタッフについても詳しく知ることが出来るのです。
サヴィル・ロウ最古のテーラーの歴史にご興味がおありなら、素晴らしい小道具をご覧ください。受付のデスクのすぐ下のきらりと光る真鍮製の秤の横の古びた小さな皮のイスのことです。コストのかかる御者用制服の修繕におけるもめごとの対策として1870年代に購入されたジョッキースケールです。ヘンリープールはサイズを測るだけでなく体重も記録することでのちのもめごとを防ぐことにしたのです。
メインショールームの奥、舞台裏もお見せできます。カッティングルームやサンプルをご覧になり、アーカイブルームへと続きます。ここではヘンリープールの歴史を探求し、1849年にさかのぼる台帳がアルファベット順に並んだ美しいオリーブグリーンの背表紙の革製ファイルを見ることが出来ます。ウィンストン・チャーチルの採寸を含む古い台帳をめくることすら出来るのです。
皆さまは博物館を訪れるときのように、私どもの歴史に興味を持っておられることと思います。何世紀にもわたって引き継がれる経験に裏打ちされたテーラーによって採寸、裁断、縫製、フィッティングされた服を着るのは価値のあることです。博物館やギャラリーがその展示品を見せることが出来るなら、私どもにもショップをお見せすることができる――しかも居間のソファーから――と思ったのです。
もちろん申し上げるまでもなく、当店は再開していますのでどうぞご来店ください。クリスマスまで15%オフの生地もご用意してお待ちしています。